You Don’t Know What Love Is. 自分を愛せない少年と ただ愛されたかった少年と (※なるべく表現が激しい場所はカットしてますが、 R15でお願いします) ―Seventh Heven― 「シャワー、どうも」 「ああ」 事を終えると男同士なんてあっけないものだ。 男女の行為のようにピロートークでもするわけでもない。 所詮これは性欲処理の一貫で、僕らの関係はギブアンドテイクだ。 僕らの関係はセックスはあっても愛はない。 それどころか僕らの場合は信頼すらない。 僕は彼を押しのけてでも、皇帝騎士の頂点の座に行かなくてはならない。 味方であり、敵なのだ。彼もそれをわかっていて、こんな下らないことに付き合ってくれているのだろう。 (まぁこの状況を互いに楽しんでいることは確かだ) 「酷く噛みついてくれたな」 服を着ていると、ベッドで煙草をふかしている彼に言われた。 「貴方だっていつも噛むじゃないですか」 「貴卿は噛まれるのが好きなのだろう。私は別に好きなわけじゃないからな」 お見通しというわけか。ふと笑みがこぼれた。 制服を着こみ、時計を確認すれば深夜の一時前。部屋に帰って寝よう。 「それじゃ。僕は部屋に戻ります」 「枢木卿」 「はい?」 煙草の紫煙が天井に近づく。 「派手に腰を振っていたら犬が泣くぞ」 「・・・僕は動物には優しいですよ。人間には優しくないですけどね」 互いに冷たい微笑を浮かべた。 僕はぱたりと彼の部屋の扉を閉めた。 *  初めて男に抱かれたのは十五の時。入隊してすぐだった。 同じ位の年上の男に訓練後レイプされた。一人じゃない。相手は五人だった。 何人も出たり入ったり、僕は拒絶して拒絶して拒絶して、壊れた。 白濁に濡れた全身、痛む下半身、潰れた声。 ただそんな僕から発せられたのは空笑いと。 「きもちいい」 その一言だけ。 だって本当に良かったんだ。セックスが大好きになったんだ。 無理矢理でもなんでも良かった。 後ろに突っ込まれてる最中は全部忘れられたから。 全部全部全部・・・! 過去も今も嘘も世界も・・・。 だから僕は溺れた。 手初めは上官だった。 昼間は真面目に訓練をして、夜はベッドで喘いだ。 そんな姿が男の欲をそそったらしい。 僕は身体能力も人より上だったし、 上官の『力添え』のお陰かそこそこ出世もできた。 特派に入ってからもそうだった。 ロイドさんとセシルさんは知らなかったが僕は何人もの同僚にも部下にも腰を振っていた。 それが幸せだった。それが楽しみだった。僕は壊れていた。 けれど、僕を救ってくれた人がいた。桃色の髪のお姫様。 綺麗だった。僕には勿体無いくらい綺麗で綺麗で。 穢れなんて一つも知らないような、綺麗な人だった。 最初は彼女に触れることが怖かった。 穢れた自分が触れていい人なんかじゃないって思っていた。 でも彼女は僕に自分を好きになれと言ってきた。 穢れた僕に触れてほしい、と。 『ユフィ・・僕は・・・』 『・・スザク。私は・・スザクがどんな人か、ちゃんと分かってますよ』 『え・・』 『優しい人です。優しいからこそ傷つきやすくて、脆いところもあるけれど・・  でも・・そんな貴方だから・・私の騎士になって欲しいって思ったんです』 『・・・・』 『ねぇ、スザク。貴方って本当は凄く優しい人なんですよ?  だから・・もっと貴方自身を愛してあげて下さい』 『・・・僕にはそんなことできないよ・・』 『どうして?』 『・・僕は・・君が思ってるような綺麗な人間じゃないよ・・・!  僕は・・僕は・・・っ・・・!』 男に抱かれている。 きっとそんなこと言ったら彼女に嫌悪されるなんてことは分かっていた。 僕は何も言わずに俯いた。彼女の騎士になることだって、本当は罪悪感でいっぱいだった。 こんな僕が・・こんな・・。 そんな僕の掌に彼女が触れた。僕の汚れた手をそっと唇に寄せた。 『自分を誤魔化さずに、罪の意識に囚われても、  逃げださず優しさを失わない・・・そんな貴方が好きです』 少し朱が差した頬に手を寄せられた。 『だから貴方のこの手も大好きですよ。 もし貴方が自分自身を愛せないなら・・私が貴方が愛せない分まで・・枢木スザクを愛します』 彼女の言葉に涙が零れた。愛おしくて愛おしくて、本当に綺麗だった。 彼女を愛して、もう一度自分を愛してみようかと思った。 でもそんなこと許されないってわかっていたのに・・。   神様は残酷だって知っていたのに。  ユフィを殺したのは、ゼロ・・ルルーシュだった。 でも、僕は彼女の騎士だった。でも・・・っ・・、彼女を守れなかった。 だから僕はもう優しくなんてなれない。 自分自身を愛することもできない。 これは永遠の罰である。自分を愛しちゃいけない。 自分を罰しなきゃいけない。  彼女が亡くなり、僕がゼロを捕まえた。 僕はブリタニアにおける最高地位の一つ、ナイトオブラウンズのセブンの地位についた。 僕はまた全てを忘れる事ができる快楽に手を出した。