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(パロディ。ライオンジノ×うさぎあにゃ。  若干嵐の夜にパロ) どうしよう、すっごく食べづらい。 bunny 突然だけど、俺は今とってもお腹がすいている。 ああ、えーっと俺? ジノっていうの。思春期真っ盛りのライオンね。 で、さっきね、ウサギを捕まえたんだ。 うん、今日のディナーにしようと思って。 草むらに潜んで 草を小さな口で食べる真白のウサギを 襲った。 ぴょんぴょんと必死に逃げていたが、 俺はまわりこんで、首を軽く噛んだ。 勿論殺すためじゃなくて、 持ち帰るために。 巣に持ち帰って、口を細い首から話した。 ぴくぴくと動いているが、 血は出ていない。本当に甘噛みしかしなかったから。 ゆっくり巣で食べようって思って。 ちっちゃいから丸飲みしようかと思って ウサギの顔をちらってみた。 「う・・・・・・・」 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 すっごい可愛い、この子。 胸がきゅってする。 ウサギは俺がじりじりと追い詰めるから 巣の壁に張り付いてぴくぴくしている。 真っ赤な瞳に涙を浮かべて。 鼻先を近づければ 食べられると思ったのか ぎゅうと目を瞑った。 お腹はすいた。 でも、どうも食べる気にはなれなかった。 ぶるぶる震えて涙を流す小さな子ウサギの 鼻先をぺろりと舐めた。 ぶるりと一つ震えて おそるおそるこちらを見た。 「・・・食べないよ」 「・・嘘・・だって・・お母さんもお父さんもライオンが食べたから」 「・・いつ?」 「先週」 あ、ヤバい。それ俺だ・・・。 でも弱肉強食だから仕方ない・・・。 どうしようかなーと考えて、いいことを思いついた。 俺は彼女をぎゅっと掴んだ。 彼女はとうとう食べられるのかとぶるぶる震えながら目を瞑った。 俺は丸く寝転がって その中心に彼女を置いた。 これで寒さは感じないはずだ。 「・・・?」 「君、名前は?」 「・・・・・・・・・・・・・・・アーニャ」 「ねぇ、アーニャ。多分ね君のおかあさんとおとうさんは 俺が先週食べたと思うんだ」 「・・・・うん・・知ってる」 「あ。やっぱり?・・・でね、相談なんだけどさ」 「・・・?」 「俺ね、アーニャのこと食べたくないんだよなぁ」 「・・・・?」 「おいしそうではあるんだけど・・・なんていうか  アーニャは・・可愛いし・・うーん  これは恋なのかな・・?」 「・・こい・・?池でおよいでるお魚・・・?」 「違う違う!スキになることだよ!  俺はアーニャに恋しちゃったんだよ、多分」 「・・・・?」 「だから、俺がアーニャのこと守ってあげる!  アーニャの両親は俺が食べちゃったから・・  アーニャを守ってくれる人はいないし・・  このままじゃ遅かれ早かれ死んじゃうよ?」 「・・・・でも・・ジノが食べる・・私のこと」 「食べないって!約束する!」 「・・・・・・・・・」 「どうしても信じられないならさ・・」 俺は身体を少し伸ばした。 「今から俺寝るから・・。  逃げたらいいよ・・。  会えて良かった、アーニャ。  おやすみ」 俺はそう言って目を瞑った。 だって本当に食べたくなかったんだ。 でも信じられないのは当然だし 彼女に選択肢は必要だろうって思ったから。 暫くうとうとしていると 小さな体温が離れたのがわかった。 一つ溜息をついて眠りについた。 初恋とやらは瞬殺されたらしい。 ぐーぐーなるお腹を押さえて 狩りに出かけた。 鹿を捕まえた。 なかなかおいしかった。 ぼりぼりと骨を噛み砕きながら 食べていると 後ろでがさがさと草が鳴った。 しゅっと体勢を後ろに向けると アーニャがまたまた震えていた。 「あ」 アーニャはぴょんとはねて 逃げようとしたが すぐに転んでしまう。 そんな姿が可愛くて 血の付いた口元を綺麗にした後 彼女に近づいた。 「アーニャ」 ぶるぶる震える子ウサギをぎゅうと抱き締めた。 「アーニャもご飯食べてたのか?」 ぶるぶる震えながら、一つこくりと頷く姿が可愛い。 こう・・胸がきゅうううってなるんだ。 「俺もご飯食べてた」 「・・・見てたら・・・わかる・・・」 「お腹いっぱいだなぁー。アーニャ、一緒に遊ぼう?」 「・・いや・・食べられる」 「だーかーら、食べるんだったら昨日食べてるって」 「わかんない・・気が変わって今日食べるかもしれない」 「あーのーなー」 その時だった。 ごろごろと雷が鳴って 空が泣きだした。 「降ってきたな・・とりあえず、あそこの木の下行くぞ」 走るのが遅いアーニャの首元を軽く銜えて 木の下まで走る。 アーニャは銜えられる瞬間食べられると思ったのか またぶるぶる震えていた。 木の下についた。 雨はますます酷くなった。 アーニャの首から口を離して 空を見た。 「酷いなぁ・・もう巣に帰るか・・」 「・・・・」 「そういえば、アーニャはどこに帰るんだ?  ちゃんと家はあるのか?」 「・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・もしかしてないのか?」 「・・・昨日帰ったら他のウサギの家族がいて  追い出された」 「・・あらららら」 アーニャは暫く俯いていて 俺はどうしたのかと思って 覗きこんだら、嗚咽をこらえて泣いていた。 不謹慎だとは思ったけど・・やっぱり可愛い。 何も言わずに小さな小さな涙を舐めてやった。 ぐずぐずと泣きだしたウサギが愛おしいと思った。 「・・うちにおいで。大丈夫・・。ほんとに・・食べないって約束する」 アーニャは暫くぐずぐず泣いていたけれど やがてこう呟いた。 「どこにいたって・・どうせ殺される。誰も守ってくれないから・・」 「・・・俺が守るよ。アーニャのこと・・・」 「もうどうでもいい。ジノに食べられようが・・・だから・・・」 アーニャは少し震えながら、俺の脚に擦り寄ってきた。 俺は可愛い子ウサギに頬をすり寄せた。 「帰ろっか」 そのまま優しく彼女の身体を銜えた。 ひょいとアーニャが持ちあがる。 彼女が雨にぬれないように全速力で巣に帰った。 アーニャとの生活を始めて数か月がたった。 俺はもう彼女を食べようとは思わなかったし、 彼女以外のウサギすら食べるのを避けていた。 ぺろぺろと鼻先を舐められる感触で目覚めた。 「ん・・・?」 「おはよう」 「ん、おはよう」 「草、食べてくる」 「・・あんまり離れるなよ・・巣から」 「うん」 アーニャはひょこり巣から出て行った。 俺は眠りにつこうと もう一度うとうとしていた。 暫く船を漕いでいたが やがてがさがさという大きな音で起きた。 何か嫌な予感がして巣から飛び出して アーニャを探した。 「アーニャ!アーニャ!」 暫くすると他所の縄張りのライオンが何かを追い詰めているのを見つけた。 アーニャだった。 俺は必死に走って走って そのライオンに噛みついた。 「なんだよ!お前」 「さっさと俺の縄張りから出ろよ」 「別に俺はそのウサギを食べたいだけだっての!」 「そのウサギは俺の獲物だ。俺の縄張りのものに勝手に手を出すな」 暫く睨みあいを続けると、そのライオンは去って行った。 「アーニャ!大丈夫!?」 「・・・・・・・・・・・・・うん」 「よかった・・・俺アーニャのこと・・心配で・・」 「・・・私・・・」 「え・・?」 「そうだよね・・私は」 「ジノの獲物だもんね」 「え・・・アーニャ・・あれは・・・!」 「・・・・・っ」 アーニャは何も言わずに走って行く。 「アーニャ!」 「・・ジノの・・馬鹿・・・」 「待ってアーニャ!」 そう言った瞬間アーニャは思いっきりぬかるみにはまってこけた。 その様が可愛くて・・可愛くて・・・思わず笑ってしまった。 アーニャは泣きはらした目でこっちを睨んでる。 「ばかばかばかばかだいっきらい!」 「アーニャ!違う!俺は・・・アーニャのこと獲物だなんて思ってない!」 「・・・・・」 「思ってたらとっくに食べてる。そんなことアーニャだってわかってるはずだろ」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・さっきのライオンにあんなふうに言ったのは・・そういわないと引かないと思ったからだ。  だって・・ライオンがウサギに恋してるから食べないなんて・・・  他のライオンから見たら変だろ?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなこといったら・・」 「・・・ん?」 アーニャは涙を溜めたあの赤い目で俺を見つめた。 「食べられるかもって思ってるのに、ライオンのことを好きになるウサギは  もっと変」 ぐずぐずと涙を零して、「ばか」と何度も呟く彼女が可愛くて 涙を舌先で掬った。 すると彼女の小さな舌先がぺろぺろと俺の舌を舐めてきた。 こんなことをしてくれたのは初めてで 嬉しくていっぱいじゃれついた。 彼女が潰れないように、彼女が傷つかないように いっぱいいっぱいじゃれた。 「アーニャ」 「何?」 「俺達って変だな」 「・・・うん」 「きっと俺は他のライオンに理解されないし  アーニャも他のウサギのとこには戻れないな」 「・・うん」 「ずっと一緒にいよっか」 「うん」 さぁ二人で帰ろう あの小さな洞窟へ また明日 毎日あそこで君と笑って 君といい夢を見よう。 そして 願わくば君と共に死ねたらいい そうしたら俺は彼女を一人残して 死ぬことはないし 彼女が先に死んで寂しい思いもしないから。 ああ・・これはもしかして 「なぁ、アーニャ」 「・・・?」 「結婚しようよ」 「・・結婚?」 「そしたらずっと一緒。死んでもずーっと一緒」 「・・・・」 「嫌?」 「・・・ジノなら・・・・いい」 「ほんと!?」 「・・・うん」 誰もいない花畑で ライオンとウサギは小さな結婚式をあげました。 指輪なんてないから 花を彼女の耳に飾っただけだけれど。 それでもそれでも 「ジノ」 「ん?」 「きっと、私、世界で初めてライオンの奥さんになったウサギだと思う」 「それは俺だって一緒だよ」 「そう・・ね」 「ああ」 二人はいつまでも幸せに暮らしました いつまでもいつまでも 二人は死んでしまったけれど 神様は二人ぼっちだった二人が可哀想だったので 生まれ変わった二人にたくさんの人と 巡り合わせました。 その中で二人は苦しい思いをした時もあったけれど やがて二人は神様の悪戯で もう一度出会うのです。 「初めまして、ナイトオブスリー、  ジノ・ヴァインベルグだ」 「・・・・ナイトオブシックス、  アーニャ・アールストレイム。宜しく」