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(ひどいパラレルシリーズ(笑) 高校生ジノ×大物歌手兼中学生アイドルあにゃたん) ひとめぼれだった。 S&F 午後4時。駅前につけば リヴァルが待ちくたびれたように寄ってきた。 「ジノ!」 「ごめんっ!遅れたっ!」 「まぁ・・いいけどさ。早く行くよ」 「ああ」 本当は3時半の約束だったのだが、 俺が電車に乗り遅れてしまったせいだった。 そもそも彼と何故今日会う事になったかというと 3日前に遡る。 それは学校での昼休みの雑談の中でだった。 『アーニャ・アールストレイム・・・?』 『え、ジノ、アーニャちゃん、知らないの!!?  テレビ見てないの!?』 『いや・・テレビは見てるけど・・』 『まさか・・アニメとか・・オタク?』 『違うって。で、誰?それ』 『歌手だよ。若干14歳で凄い歌上手いんだ。  ダンスも上手いし。尚且つ、かっわいいんだよなー』 『・・14歳?あー、俺、年下興味ないからなー』 『なんてことを!ジノ、お前ほんっとに人生損してる!  よし、わかった。  明後日のアーニャちゃんのライブ、一緒に行こう』 『え・・いや俺明後日は用事が・・』 『・・どうせ女遊びだろ?また』 『・・・あ・・はは・・』 『お前も弄ぶようなことやめなさいってー。  まぁ行くから。3時半に××駅の前』 『俺行くって言ってないけど』 『いや、来るんだ!ジノ!  さもなくば人気のヴァインベルグ君は若くして不能っていう  可哀想なデマ流すぞ』 『やめろって!!俺は正常に機能してるからっ!』 ということで半ば乗り気ではなかったが 下らない噂を流されるくらいならと、 リヴァルとの約束に応じたわけだ。 会場に着けば、たくさんの客がいた。 会場もかなり大きい。 ライブなんかいつも友達のバンドのライブのために ライブハウスに行ったりするくらいで こんな大きな建物でのライブに行くのは初めてだ。 しかもリヴァルのチケットは一番前の席。 ステージがよく見える。 暫くすると照明が暗くなった。 「お、ジノ、始まる!」 「あ、ホントだ」 やがてステージにスポットライトがともる。 客のテンションが一気に上がる。 白い煙幕が噴き出してきて そして 「うわあああああああああああ!!!!」 客のハイテンションな声と同時にステージに見えた影。 煙幕の中から登場した 桃色の髪の少女。 手にはマイク。 ジーンズの短パンに、蒼色のTシャツ。 ニーソックスにスニーカー。 小さなTシャツと短パンの間から臍が出ている。 桃色の髪は高く一つに纏められている。 大音量で鳴りだす、曲。 あ・・・、俺、これ知ってる。 初めて聞いた時、誰が歌ってるんだろうって思ってた。 エイトビートが刻まれて、 バックダンサーと共に小さな身体が激しく踊っている。 桃色が揺れている。 マイクが唇に近づいて、 そこから紡がれていく歌。 正直、痺れた。 鳥肌が立った。 ぼーっと見惚れていたらその曲は終わっていた。 それに気づいたのは客の歓声のせいだった。 「すっげぇな、やっぱり生で聞くと!」 「あ、ああ・・」 彼女は少しお辞儀をした後に マイクを口元に寄せた。 「今日はきてくれて、ありがと。  最後まで楽しんでいってね」 少し口端が上がり、ぎこちなく微笑むと ファンから歓声が上がった。 次はバラードだった。 可愛らしい唇から紡がれる声は 熱くて、どきりとする。 何曲も歌う、少女。 その声が、その歌が。 全て。 「次で、最後。  今日はもう終わり」 「ありがと、来てくれて」 「最後の曲、聞いてね」 「新曲『lost memory』」 その瞬間歓声が上がる。 隣のリヴァルもテンションがすっかりあがっている。 「ジノ、この曲このライブで初発表の新曲だぜ!」 「え、あ、ああ・・そうなんだ」 テンポの速い曲。 ドラムが、ギターが、キーボードが鳴っている。 息を吸う音が一瞬聞こえた。 ライブが終わった帰り道、俺は呆然としていた。 「にしてもすごかったな!ジノ」 「あ・・・ああ・・そうだな」 「え、何?もしかして呆然?凄すぎて!  お前もハマっちゃった?」 「え・・あ・・はぁ・・」 「まぁ、CDなら俺持ってるから、貸すって!  じゃあまた明日。学校で!」 「ああ、じゃあ」 家についてからも、熱が冷めなかった。 すごくいい歌ばかりだった。 でも、なぜか、歌もよかったのだが あの女の子・・アーニャの顔が頭から離れない。 相手は歌手だ。ばかばかしい。 しかも年下。論外だ。 ・・・でもどうして・・・頭からあのぎこちない笑顔が離れなかった。 そう、だって彼女は何故か、 何回も俺と視線があったんだ。 あの笑顔も何故か俺に向けられてる気がしたんだ。 その3日後、俺はCDショップにいた。 リヴァルが貸してくれると言っていたが やっぱり自分で買いたくなったんだ。 ちょうど彼女のファーストアルバムの発売日で 俺は最後の一枚を奇跡的に手にすることができたんだが。 ちょうど隣で違うCDを見ていた女の子がいた。 帽子を被って、顔が見えない。 白いワンピースにほっそりした腕が出ている。 きっと、このCDの彼女もこんなワンピースを着たら似合うだろう。 そうふと思ってレジにそのCDを持っていった。 「ありがとうございましたー」 店員ののんきな声と同時に自動ドアが開いて、 店を出た。 さぁ、今からどうしよう。 リヴァルは今日はバイトだ。 ゲーセンでも行って時間を潰して・・・って、え? ふと、感じる。 背中を引っ張られた。 正確には制服のシャツだが。 振り向けば、さっきの白いワンピースの帽子の女の子。 「え・・・っと・・、何?」 「・・落し物」 「え?」 「手・・出して」 言われたまま手を出した。 が、次の瞬間、 「え!?」 彼女は俺の手を取って、 引っ張っていく。 「え、ちょっと、なんなんだ、君」 彼女は何も言わず、そのまま俺の手を引っ張って、 近くのカラオケボックスに入った。 たまたま混んでいなかったおかげで 俺達はすぐ部屋に入った。 当然俺は入った直後に言った。 「おい、なんだよ。君、何がしたいんだよ」 俺はカラオケの金なんて一銭も払わないからな! と付け足して。 そして、彼女は何も言わず、 店員が入ってきてオレンジジュースを置いて出ていった後、 ドアをちらりとみた。 外からは彼女の席は死角になっていて見えない。 「・・あなた」 「え?」 「こないだ・・ライブに・・いた。一番前・・」 「へ?」 彼女がゆっくり帽子を脱いだ。 俺は息を飲んだ。 そこから零れたのはあの桃色の髪だった。 「え、ええええええええ!!!?」 それは、驚くはずだ。 3日前大衆の前で歌っていた歌手なのだから。 「・・・おどろく・・よね・・」 「・・・あ、・・えっと・・」 「・・ごめん・・いきなり・・あんなことして」 「いや、別にいいけど・・」 「なまえ・・・きいて・・いい?」 「俺?あ・・ジノ。ジノ・ヴァインベルグ。高二」 「ふうん・・・ジノって呼んでいい?」 「ああ・・・なぁ・・」 「なに・・・?」 「もしかしてCD買った人皆にこんなことしてるわけじゃないだろ?」 「・・声かけたのは・・ジノが初めて」 「・・どうして?・・ファンなんていっぱいいるだろ?」 「ライブの時・・気になったから・・覚えてた」 「え?」 「ステージに出る前に貴方を見たら、すごくつまらなさそうだった。  そんな人・・初めて見た。正直・・ちょっとショックだった。   だから今日はジノを楽しませようって思ってあの日歌った。  ・・・でもよく考えたら・・誰かのために歌を歌ったのって  初めてで・・なんだか楽しかった」 それを聞いて驚いた。 道理で・・何回も視線があったはずだ。 彼女は俯いて寂しそうに語りだした。 「私・・・いつも仕事と、歌とダンスのレッスンばっかり。  友達も・・デビューしてから・・ほとんどいなくなった。  元々口下手で・・。  歌を歌うのは好き。楽しいから。  でも・・ちょっと寂しい。  きっとこんなきもち、贅沢なのかもしれないけど」 そう語った後彼女は思い出したように 顔を上げた。 「・・ごめん、突然こんなとこ連れてきて、  こんなこと言って・・」 「・・・じゃあ」 「え・・・」 俺は思わず、言ってしまった。 「俺が、アーニャの友達になるよ」 「え・・・?」 赤い瞳が見開かれてる。 俺は不安になって聞き返す。 「・・駄目かな・・?」 「・・・・いいの・・?」 「勿論・・・。とりあえず、歌うか!  カラオケに来たし」 「え・・あ・・」 「えーっと、じゃあ、俺から歌うな?」 「え・・うん」 適当に最近の曲を入れて歌う。 あんまり歌はうまいとは思ってないが、 歌い終わったとき彼女は楽しそうに あのぎこちない笑顔を見せた。 きっと笑うのが苦手なんだろう。 でもあの笑顔が可愛くて、 思わず俺も笑顔になってしまう。 「次、アーニャの番な」 「う・・ん・・何・・歌おう・・」 「なんでもいいよ、アーニャの歌いたいやつで」 そう言えば、また驚いたように目を見開いてこっちを見た。 「え、何?」 「・・いつも誰かとカラオケ行ったら皆私の曲を歌ってっていう。  でも、ジノは言わないから・・びっくりした」 確かに職業柄そういう事が多いんだろう。 「今は仕事じゃなくて、遊んでるんだから何歌ってもいいんだよ?」 「あ・・・うん・・・じゃあ・・・・・・・・・・・・・・  ジノが一番好きな曲歌う・・・何が・・すき?」 「え・・・・・?」 今俺が一番好きな曲。 それは・・・アーニャの曲であって、 でもそれを言ったらアーニャはやっぱり自分の歌を歌わなくちゃいけなくなるし ああああ・・・どうしよう 「・・・ジノ?」 「え、えーっと・・そのアーニャ・・俺の今一番好きな曲は・・えっと・・」 「・・・もしかして・・・私の・・・曲・・・・?」 なんだか少し恥ずかしくなって、頷けば アーニャも少し照れたように微笑んだ。 「・・・・どれ?」 「え・・・、でもそしたらアーニャはまた自分の曲・・・」 「・・・いいの・・私は・・ジノが一番好きな曲歌いたいって思ったから・・」 「・・・じゃあ・・・『lost memory』」 「・・・わかった」 彼女はマイクを握って、俺は曲を入れた。 イントロが流れ出す。 彼女はマイクを持って、言った。 照れたように、あの笑顔で。 「ジノのためだけに、歌うね」 今まで聞いた歌で一番よかった。 俺が生きてきて、聞いた音楽の中で一番よかった。 二人で一時間くらい歌って、 会計を俺が払おうとすれば 彼女はぶんぶん首を振って自分が払うと譲らない。 仕方ないから学生らしく割り勘。 その後は二人でゲーセンに言った。 彼女が気に入った猫のぬいぐるみをとるのに 15分かかった。 でも彼女はとても喜んでいた。 その後二人でファミレスでご飯を食べて、 もう9時だった。 彼女は門限だったのか、 タクシーで帰ろうとした。 「それじゃ・・頑張って、アーニャ」 「ん・・・ジノ」 「え・・?」 「これ・・あげる」 それは彼女が頑張ってゲーセンでとった 小さな犬のぬいぐるみ。 「いいの?」 「うん・・私が帰ったら・・首輪取ってあげてね」 「首輪・・?っていうかリボンだけど」 「・・・うん・・じゃあね・・・?」 「バイバイ」 彼女は最後にあの笑顔でタクシーに乗った。 友達といいつつ俺は彼女の電話番号もメルアドも 何も聞けなかった。 まぁ仕方ない、相手は歌手だ。 でも・・首輪・・って・・・? 家について、犬のリボンをほどくと はらりと折りたたまれた一枚のメモ帳が落ちた。 『今日は楽しかった。すごく。有難う。  ほんとはね、ライブの時、ステージでジノを見て  ・・・目が離せなかったの。  今日も気づいたら・・声かけてた。  ・・・ほんとはね・・多分・・  ・・一目惚れかもしれない。  でも私わかんないの・・この気持ち・・初めてだから。  恋なのかな・・?あってるのかな・・・、私。  変だね・・こんなこと聞いてるって。  変だね・・恋の歌うたってても自分は恋した事ないって。  でも・・ジノと一緒にいたらね、どきどきしたの。  すごく幸せで・・歌ってる時より・・ずっと。  突然・・今日・・こんなこと言われて・・  すごく・・・困らせて・・ごめんね・・・?  でも・・それで・・もし・・わたしのきもち・・うけいれてくれるなら  ・・・・・リボン・・裏返して?』 脈が高鳴っていた。 思わず、リボンをひっつかんで、それを見た。 小さく書かれた番号の羅列。 思わず掴んだ携帯。 コール音がもどかしい。 一緒だと思う、多分。 俺もあの日から、同じ気持ちなんだ。 初めてなんだ、こんな気持ち。 一人の人の事が頭から離れなくなるって。 女なんて皆同じって思ってた。 でも、君を見た時、 君の声を聞いた時、 全部砕けたんだ、今までの自分なんて。 『・・もしもし』 「・・・一緒だよ」 だから、二人で答え合わせしないか? 『・・ジノ・・』 「俺も・・・初めてだからこんなきもち」 「でも多分」 「すきだ」 暫くして彼女の新曲が出た。 タイトルは「SAF love」 その曲は瞬く間に大ヒットして、 彼女のCDの中では一番売れた曲になった。 SAF・・それは・・Secret And First 秘密の初恋はひっそりと紡がれている。 今も、二人を間で。