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(バカップルくささが否めません) 朝、カレンダーを見たスザクが言った。 「あ、今日は七夕だね」 「タナバタ・・・?」 「あ、そっか。  アーニャね、七夕っていうのは・・・」 shooting star 今日、7月7日は「七夕」というらしい。 イレブンの風習の一つで。 笹に願い事を書いた短冊をつるすと願いが叶うとか。 「昔は笹とってきて、短冊書いたなぁ・・・」 懐かしそうに微笑むスザク。 「スザク」 「ん?」 「誰がその願いを叶えるの?  ・・・神様?」 「んー、織姫と彦星じゃないの?」 「・・オリヒメとヒコボシ・・?」 「あー、ええとねー」 日本の昔話の一つなんだよ。 そう言って彼が話してくれた話。 なんだか可哀想で温かい織姫と彦星の話。 「ふぅん・・」 「で、一年に一回会える日が七月七日ってわけ。  あ!僕、総督補佐の方の会議があるんだ。  じゃあ、また後で」 私はブログを更新しながら、 ひらひらと手を適当に振って、 待機室から出ていくスザクの後ろ姿を見送った。 今日は一日中訓練だった。 スザクは総督補佐で総督に付きっきりで、 ジノは一週間前から本国に仕事で戻っていて 明日の朝帰ってくる予定だった。 訓練が終わって、 夕食をとって、 シャワーを浴びて、 髪をタオルで拭いていた。 ふとカーテンを開けた。 真っ暗な闇に浮かぶ 人工の光達。 空を見上げても星なんて全然見えない。 でも夜風だけは気持ちよくて。 濡れた髪を靡かせていく。 ふと、着信音。 振り返れば、ベッドサイドに置いてあった 携帯が光っていた。 「もしもし」 『あ、俺』 その声にすぐ誰かわかって、 足をもう一度外へ向けた。 ベランダの柵にもたれ掛かる。 「・・・何?」 『んー、アーニャの声聞きたくなってさ』 「・・・明日帰ってくるのに」 『いや、つれないなぁ。嬉しいくせに』 「・・・馬鹿じゃないの」 とか言いつつ、本当に嬉しいと思ってるなんて 絶対ばれたくないことで。 「ねぇ」 『んー?』 「タナバタって知ってる・・?」 『あ、今日七月七日か!』 「知ってたの・・・?」 ジノまで知ってるなんていうのは とても意外で。 『あったりまえだろ!  お祭り大好きの俺がイレブンのイベントを  チェックしないわけがない!』 「・・・そう」 半ば呆れて、溜息が零れた。 「・・・ジノ」 『んー?』 「・・・見える・・?空・・・」 『ああ・・俺今屋内にいるから見れないんだけど』 「そう・・・」 『なあ、アーニャ』 「何」 『俺だったら堪えれないな』 「何が」 『一番好きな人に一年に一回しか会えないとか』 「・・・・・そう」 彼が言いそうな言葉に思わず笑みが零れた。 『あのさ』 「・・・・?」 『・・・会いたい?』 「それ・・・ジノの方・・・」 『いや、俺は勿論アーニャに会いたいけど。  禁断症状出そうだけどさ!!』 一週間で禁断症状なんて。 彼にとって私は相当中毒性の高い女みたい。 『アーニャはさ、俺に会いたい?』 私はくだらない質問に溜息をつく。 「別に。明日会える」 『今。今、俺に会いたいなって思わないの?  声聞いてさ』 『俺はさ、  今この瞬間に  アーニャに会いたいなって思うんだけど』 『今、アーニャと一緒に星空見たいな』 私はその言葉にこう返した。 「残念。全然星見えない、ここ」 『え、どこいるの?』 「自分の部屋。街の明かりで見えない」 『そっかー。  スザクにでもいい場所聞いとけばよかったなー!』 「・・・一緒に見れないのに?」 『ほら、やっぱり一緒に見たいんだろ!』 「違う。ジノは今本国だから」 『で、どうなの?俺に会いたくなった?』 「・・・・・・」 『アーニャが会いたいって言ってくれたら、  流れ星に乗って飛んでいくかもよ?』 「・・ほんと、ばか」 ほんとうにずるいひとだとおもう むじゃきで でもそのてはわたしよりよごれている でもこころはわたしなんかより ずっとけだかくてきれいで ほんとうはあこがれてた ほんとうはあこがれがあいにかわってたのもしってた いつからいとしいってかんじるようになったの? だからほんとうはね、すきっていわれたとき うれしくてたまらなかったのに すなおになれない まだいちどもじぶんからいえてないから すきって 「・・・ジノ」 『ん!』 でも今日は どうせ帰ってくるのは明日だから 「私、今からひとりごというから」 『・・・は?』 だから ほんとうのことをいってあげようかなって おもったの。 すなおにいってあげたいな ときどきだけど 「すき」 「あいたい」 「はやくかえってきて」 「あたまなでて だきしめて」 「きすして」 「・・・ひとりごと 終わり」 大きな深呼吸と共にそう言えば、声が聞こえなくなった。 私は耳まで真っ赤だったけど 思わず微笑んだ。 明日何を言われるか考えると恥ずかしかったけれど ジノが口を開けて、呆然としてるの姿を 想像するのは楽しかったから。 その時、ふわりと大きな風が吹いて 夏の夜の匂いが鼻を掠めて 背中にあったかい体温と感触と 右手の携帯を持つ手が一回り大きな手で覆われて 腰に大きな腕がまわっていた。 夜の匂いに混じって知ってる匂いがする。 驚いて、顔が熱くなって、耳まで赤くなって、 その耳に吐息ごと囁かれた。 「会いたくて思わず、流れ星に乗ってきちゃった」 緩められた腕から おそるおそる振り向けば 電話で話してた彼。 手には携帯が握られていた。 思わず・・、目を見開いた。 「ブリタニアに・・いたんじゃ・・・」 「さっき帰ってきた」 「・・・・・いつから・・うしろ・・・」 「『流れ星に乗って飛んでくかもよ?』から」 忘れがちだが、この人は三番目の騎士で。 私なんかよりもずっと気配を消すのも 上手だった。 ゆっくりと濡れた髪を撫でられる。 「髪、まだ濡れてる」 「・・・お風呂上がったのさっきだから」 「ん、いい匂いー!ああ、アーニャの匂いーっ!」 犬みたいに喜んで 私の首筋に頭を落とした。 「で、あと一つ?」 「・・・・?」 「会って、抱き締めて、頭撫でただろ?」 悪戯が成功した子供のように 笑って 私はもう一度朱くなる。 自分の言った事の恥ずかしさと その笑顔に 「アーニャ」 「俺もすき」 言葉と同時に深く深く口付けられた。 息ができないくらい。 蹂躙する舌がたまらなく優しく感じて 涙が零れた。 唇が離れて、 もう一度触れるだけのキスをした後、 抱きかかえられて、 ベッドに運ばれた。 ベッドに下ろされて 思わずそういうことなのかと 思ったら。 「これ!お土産。  まあ、ちょっと寝ころんでみて!」 床でジノが丸いランプみたいなのを弄っている。 セットができたのか、窓とカーテンを閉めて、 私の隣へ寝ころんだ。 手には黒いリモコン。 彼がそれを弄ると。 「上見て」 「あ・・・・」 一面の星空。 天の川。 「綺麗だろ?」 こくりと頷いた。 「都会だから本物は見れないけど」 そう言って、手を握られた。 ふと、彼を見て気づいた。 思わず片方の手で彼の髪を撫ぜた。 「ん?どうした」 「別に」 「おおきなながれぼし みつけただけ」 あなたはいつまでもそうやって きらきらかがやいて わたしだけのために