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(アーニャ過去捏造。勝手にお母さんとか出してみた) 父様は覚えてないというけれど 本当はしっかり覚えている。 私が捨てられた日の事。 Veronica 私は4つの時、捨てられた。 私が実の親から貰ったのは「アーニャ」という名前だけ。 捨てられた場所が、下級貴族アールストレイム家の屋敷の前で。 私はアールストレイム家に拾われた。 そこには子供がもう成人してしまった五十代の夫婦が二人。 私の“父”と“母”。 二人に拾われた私は大事にされた。 学校にも行かせてもらえた。 欲しいものはそれなりに買ってもらえた。 けれども私は怖くて馴染めなかった。 またこの人達も私を裏切っていくのではないか? また捨てられるのだろうか。 そんな思いが常に心をよぎる。 けれども両親は違った。 母は口下手な私を連れて、買い物や散歩に行ったりした。 家ではよく二人でクッキーを焼く。 今でも家に帰ると二人でクッキーを焼く。 父は書庫のたくさんの本を読ませてくれた。 恥じないようにと、マナーや礼儀やダンスも教えてくれた。 歳の離れた義理の姉は中流貴族の婦人であった。 血の繋がっていない妹にもかかわらず、私に優しく接してくれた。 彼女の幼い娘も昔抱かせてくれた。 学校の初等部を卒業と同時に学校をやめた。 なんだか合わなかったというのもあるが、 本当の理由は違った。 アールストレイム家は下級貴族。 父は貴族とはいえその地位は低かった。 姉は貴族婦人でパイプがあるとはいえ・・頼りもとない。 前々から家のために何かしたくて、 昔から機械の操作なんかはよくできたから、 軍に入って、そちらの職につけたらすこしは家の立場もましになるんじゃないか。 そういう気持ちで・・・ブリタニア軍人になった。 勿論両親も姉も私が軍人になることは猛反対したが、 私が止める気がないと知り、渋々認めた。 入隊直後、体力がほとんどなかった私は体術なんかは最悪だった。 だが、銃の腕と そして教官が絶句した ナイトメアの実力。 ナイトメアの訓練は首席だった。 そして、初めての実戦で・・・私は。 四方に散らばった敵を殲滅した。 今まで何もなかった私が何かを掴んだ瞬間だった。 そして、実戦で功績を上げて、2年後、 下った命は 『ナイトオブシックス』 ブリタニア帝国の軍内で 皇帝及び皇族の直属の護衛任につく 最高レベルの地位の一つ ナイトオブラウンズ 私が得た地位はその中でもほぼ真ん中。 六番目。 与えられたのは、 紅の機体、殲滅する四連ハドロン砲、四方に散らばるミサイル、 重量型のナイトメア。 有する名は・・・モルドレッド。 14歳、最年少でのラウンズ入りは当時波紋を広げた。 「仕事はどうですか?」 「・・大丈夫です」 「御友達はできました?」 「・・うん」 母と紅茶を飲む。 これは実家に帰った時に絶対やることだ。 「お父様がね」 「・・・?」 「『アーニャには地位まで抜かれてしまった』って悔しがっていたわよ」 そう言って母はくすくす笑った。 私も少し微笑んだ。 「『自分の娘にも軍内で会ったら頭を下げなきゃならないなんて』って」 私は微笑む母を見ながら、紅茶を飲んだ。 「・・ねぇ、アーニャ」 「・・何?」 「本当は家のために軍に入ったんでしょ?」 「・・・・・」 母が俯いて、そして心配そうな目で私を見た。 「・・・別に貴方が気にすることじゃないのよ」 「・・わかってる」 「なら・・・こんな危険な・・・」 母はとてもつらそうだった。 私は母にこんな顔させたくてこの地位を手にいれたのだろうか。 不安になった。 「・・・危険ね」 「・・・アーニャ?」 「母様」 「はい」 「私はもう人を殺していますから」 なるべく母につらい顔をさせたくないと思って微笑んだが なんだか泣きそうな顔になってしまった。 「ナイトメアという兵器でたくさんの人を殺しました。  これからも殺すでしょう」 「・・・」 「でも私は」 「一人じゃないから」 「ちゃんと仲間がいるから」 母は泣いていた。 「貴方はは女の子で・・・まだ14歳ですよ・・。  オシャレもしたい、恋だって・・・」 私は笑った。 「・・オシャレは別に軍人だってできます。  ・・・・恋だって」 「・・・・」 「・・恋・・だって」 「・・・気になる方がいるの?」 そう聞かれて、一瞬金髪の男がよぎる。 「・・はい」 「・・・・どんな方?」 「・・女たらしで、陽気で、ばか」 「ふふ・・」 「でも」 「すごく優しい」 そういうとなぜか母は驚いていた。 「・・どうかしました?」 「・・あなたがそんな優しい顔をしたの、初めてみたから」 「・・・?」 「きっと、その人はいい人なんでしょうね・・」 「・・・はぁ・・」 「その方もラウンズなんですか?」 こくりと頷くと、母は私の手を握った。 「きっとその方は貴方をもっと優しくしてくれるわ・・」 なんだか心が温かくなった。 「・・・今度」 「はい?」 「今度新人が来るんです・・ラウンズに。セブン・・・」 「そうなんですか」 「私より四つ上。18歳・・・。ナンバーズ出身」 「・・・そうですか」 「私なんかよりずっとずっとつらい過去を持った人だと聞いています」 「・・・アーニャ」 「はい」 「人は苦しみやつらさを知れば知るほど、優しくなれるんです。  だから」 「きっとその方も貴方に優しいと思いますよ」 「ナンバーズや・・ブリタニア・・。  本当は格差や区別が何もない世界が一番平和で幸せなのに・・・」 「・・母様」 「そうすれば、あなたも軍人なんかやめて・・・」 「・・・・」 「・・・ごめんなさい」 「いいえ・・母様」 「アーニャ」 「はい」 「私はどこにいても貴方の幸せを願っていますよ」 いつもその言葉に救われる。 誰かが私の幸せを、私の生存を祈ってくれると思うと。 「ありがとうございます。私も母様の幸せを祈っています」 日の差し込むテラスで。 小さな噴水の隣で、聖母が微笑んでいる。 母は私にとってのべロニカなのかもしれない。