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(ただのバカップルですね、はい) 誰かと一緒に眠るのは、昔からあまり好きじゃない womb 目を開けると真っ暗な世界だった。 毛布の中に私は包まっていた。 温かい。 真っ暗で温かな世界に裸でいると まるで生まれる前の母親の子宮の中にいるような気がする。 でも毛布から伝わるのは二人分の温かさ。 仄かに香る彼の匂い。 だから誰かと一緒に眠るのは嫌いなの。 だって朝目覚めると隣に眠っていた人は いないんだもの・・。 子供の時もそうだった。 朝目覚めると隣に寝ていた母と父は もういなかった。 彼なんて・・当然の行動でしょ・・コレ。 私が・・この行為が初めてで 二人で初めて迎えた朝であったとしても。 そもそも彼に最初から期待なんかしてない。 ・・期待なんか・・してない・・。 ぎゅっと膝を抱えた。 胎児のような気分。 膝に額をくっつける。 きっと顔の熱りは毛布に包まれて、暑いから。 あと・・ちょっとだけ寂しかった。 別に朝起きて隣で愛を囁いてほしいなんて思わない。 (寧ろあの男がそれをやったら気持ち悪い) ただ・・一言「おはよう」くらい言って欲しかった。 ・・・・どこかに行ったのかな・・。 くすんと一つ鼻が鳴る。 だから嫌いなのだ、 誰かと一緒に寝るのは。 忘れたくて、全てを。 耳だけを外に出して、 子宮の中に深く深くもぐる。 彼の匂いと温かさが残るその場所でもう一度眠ろう。 そっと瞳を閉じた。 「わっ」 「きゃ!」 いきなり耳元で大きな声が聞こえたから飛び起きた。 声のした方を見れば、彼が二つマグカップを持って突っ立っていた。 私は驚いてペタリとベッドの上に座っていた。 「起きたかよ、ほら」 「・・・・」 シャツとスラックス姿の彼の手の中のマグカップには カフェオレとブラックコーヒー。 勿論私に差し出されたのはカフェオレだ。 「・・寝ぼけてんのか?さっさと服を着ろ。  朝から襲うぞ」 呆然としたままの私の両の瞳を彼が覗きこんでいる。 「う・・・」 「・・・はぁ!?」 思わず目に涙が浮かんだ。 どうしてかわからないかったけど 嬉しかった。 思わず彼の首に抱きつく。 「はぁ!?おい、バカ、コーヒー零れる!」 ぎゅううと抱きついて、 (抱きついた瞬間彼の少し赤い顔でコーヒーが零れないよう焦る表情が見えた) 彼の匂いを胸いっぱい吸った。 暫くそうしていると、目があった。 「おはよう」 「・・おう」 誰にも見せないような満面の笑みで そのままバードキスを一つ。 彼の表情が固まった。 「あのね」 「あ?」 「だいすき」 瞼にキスをして、頬ずりをした。 さっきから固まったままの彼は 私を見つめている。 視線が生殺しだと訴えている。 「着替えてくる」 固まったままの彼を放置して ベッドから降りた。 瞬間 「・・・あれ?」 ぺたりと床のカーペットに座り込んだ。 自分でいうのもなんだが、裸でこの体勢は間抜けすぎる。 下半身に力が入らない。というか痛い。 恥ずかしくなってきて、 上に視線を上げれば、ふわりと抱きかかえられた。 少しドキリとしたが撤回。 この男普通に笑ってたから。 「やっぱり嫌い」 「はいはい、で、どこに連れてったらいいんだ?」 「シャワー」 恥ずかしさを誤魔化すように 『さっさと行く!』 とバスルームを指差した。 なんて甘い朝なんだろうと一人微笑みながら。 「待って」 「あ?」 「ここで下ろせばいいのよ」 「下ろしたじゃねーか」 「なんで貴方が脱ぐのよ」 「朝起きて俺がいなかっただけでぴーぴー泣く可哀想なバカのために  一緒に入ってやろうっていう親切心」 「う・・・煩い」 「立てないくせに身体なんて洗えるんですかークルシェフスキー卿は。  へー、器用ですねー実は」 「実は、とか言わないで」 「・・・・・・・」 「・・何?」 「いや、髪上げるのは俺の前だけにしておいた方がいいぞ、多分」 「は?朝から何言ってるのよ、頭沸いてるんじゃない?  あ、ごめんなさい、貴方にまともな脳みそなんてなかったわよね」 「おう、本能の塊だから」 「へ?あ・・・ちょ、っつと、ば・・か・・こら・・!」 そうやって、コーヒーは冷めていくのです。 子宮がたたずむ窓際で。