「・・・・」 『アーニャ、帰るぞ』 「・・わかってる」 イヤホンから聞こえるジノの声。 頭の中はあの赤いナイトメアの事でいっぱいだった。 むしゃくしゃする。 melancholinista 黒の騎士団の奇襲。 一度はスザクによって倒されたと思われた真っ赤な機体は 飛行装置をつけ戻ってきた。 すぐジノが攻撃をしたけど、紅の機体はそれをかわした。 私はその次の瞬間その紅に照準をあわせ4連ハドロン砲を発射。 だけどまたかわされてモルドレッド頭部を土足で蹴られた。 すかさず攻撃したけれど、またかわされた上に ジノも私も足止めされた。 結局ナナリー総督はスザクが救出し、 黒の騎士団からの護衛は成功したのだけれど。 むにーっ 「なぁーに、不機嫌な顔してんの。アーニャ」 「・・ジノ、やめて」 帰ってきて、モルドレッドを整備に出して。 ラウンズの待機室のソファーに転がっていたところを ジノに見つかって、頬っぺたを引っ張られた。 皆出払っていて、スザクもまだ帰ってなくて一人だったから ちょうどよかったのに・・。 こういうときのジノは苛々する。 かと言って・・今はブログを更新する気分じゃない。 「さっきのナイトメア?」 「・・・・」 ジノは隣に腰掛ける。 「スザクに聞いた。エースパイロットだと、黒の騎士団の」 「・・ふうん」 「・・今度会ったら本気で潰さないとな、アーニャ!」 「・・・うん」 「・・ジノ」 「ん?」 「紅いの・・ジノは手を出しちゃだめ」 「・・どうして?」 そんなのきまってる 「私が潰す」 「次は会ったら」 「脱出なんかさせてやらない」 「あのパイロットは私が殺す」 ジノは苦笑して、頭をぐしゃりと撫でた。 「シックス様は怖いなぁ」 「・・・うるさい」 「御自慢のお顔を蹴られたのがお気に召さなかった?」 「ジノ、嫌い」 「ごめんごめんーvv」 ぎゅーっと抱きしめられる。 そのまま持ち上げられて、ジノの足の上に腰を下ろされる。 そのまま腰に手をまわされる。 昔はこうされるのが嫌だったが、もう慣れた。 「アーニャは蹴られたって可愛いからな!」 蹴られたって何回も連呼されるのが嫌で 振り返って、ジノの頬っぺたを摘まんだ。 「うるさい」 別にナルシストなんかじゃない。 プライドを傷つけられただけ。 ナイトオブシックスとしての。 「でも、駄目みたいだぜ?」 「・・・?」 ジノの声が少し低くなる。 「スザクが・・・やるってさ」 「・・どうして?」 「・・クラスメイトだったんだとー」 「・・アシュフォード学園?」 「通ってたらしいぜ」 「・・ふうん」 太股を触っていたジノの手がズボンに侵入しようとしたのを ペチリと叩いた。 「痛いなぁ」 「変態」 その侵入を阻止された左手を掴んで、見てみる。 ジノの手は大きい。 だってジノは大きいから。 「・・ジノ」 「ん?」 「・・スザクってマゾ?」 「・・は?いや、アイツはどっちかってとSっぽいけど・・。 てまさかアーニャ、スザクと変な事してんじゃ・・・!!?」 「バカ、ジノ、変態」 「・・じゃあなんで、んなこと聞くんだよ」 「・・・ナンバーズ出身で、 祖国を裏切り、ブリタ二アへ」 「・・そういうことか」 「・・・嫉妬と欺瞞が彼を殺す。 彼は一人。孤独に焼かれる」 「それでも貫きたい正義があるんだろ・・」 ジノの大きな左手が私の頬を撫でる。 伏せられた瞳がなんだか。 「せつない」 「ん?」 「・・・本当に可哀想なのは誰?」 「・・・さぁな」 私の腰を引きよせて、胸元にジノが顔を埋める。 「・・・それでも、俺達はさ・・・アーニャ」 「・・わかってる」 「ん・・・そか・・」 透きとおる金髪を撫でた。 ジノは時々子供みたいで。 でも、体は大人で。 なんだかよくわからない。 でもジノの髪を撫でていたら苛々はだんだんおさまってきた。 ジノの香水のあまい匂いと。 待機室の時計の音と。 限りなく沈黙に誓い世界が残酷で優しかった。 「ジノ」 「ん・・?」 「寝ちゃだめ」 「んー、でも」 「・・・?」 「アーニャがこうやって優しいの久し振りだから」 胸元で頬ずりしてるジノがなんだか無性に可愛くて。 「・・・苛々おさまった」 「そりゃよかった」 頭を撫でているとふと気づく。 「ジノ・・報告書は?」 「ん・・後で書く・・」 「・・でも今回の出撃のラウンズ内責任者はジノ」 「ん・・後で・・・ちょっと・・寝ていい?」 「寝ちゃだめ」 「・・別件で昨日全然寝てないんだって・・」 「だめ」 「お願い・・アーニャ」 「・・・だめ」 「・・・・」 「・・もう」 ジノはちゃっかり寝てしまった。 よく考えたらジノに抱きしめられてるから身動きがとれない。 ・・どうしよう。 困っていたところにちょうど、部屋の扉が開いた。 「ジノ、報告書の提出なんだけど・・ってぇぇええええ!!!?」 「・・スザク、煩い」 「ご、ごめん。でもアーニャ・・」 「・・何?」 「・・嫌じゃないの?」 「・・何が?」 「それ」 ジノを指さすスザク。 「・・慣れた」 「・・・・そう」 はぁと溜息をつかれた。 「・・・報告書」 「え?」 「・・・すぐ?」 「・・いや、明日まででいいらしいけど・・」 「・・・そう」 「・・アーニャ」 「このままにしておいて、暫く」 「え」 「・・寝てないって」 「あ・・アーニャがいいなら僕は別に・・」 おやすみ ジノ ジノがいるから、 少しだけ少しだけ優しくなれる ・・・ありがと