興奮してるの? ううん、興奮でも発情でもないわ。 発狂よ インソムニア 「眠れないのか」 「うん」 隣で眠ってた彼は不安げにあたしを見つめた。 いい子。貴方は本当にいい子ね。 きっと今あたしが何考えてるかなんて検討もつかないでしょ。 貴方の指も目も唇も食べちゃいたいって 考えてたの 可愛いわ、可愛い可愛いあたしのシロちゃん 永遠にあたしだけのモノでいてね 他の女のモノになんかならないでね そんなことしたら本当に食べちゃうから 骨髄まで吸いとってあげる 「もも」 「なぁに」 「…すきだ」 「あたしもだいすきっ」 頬に愛しそうにキスする あたし 可愛いな 無邪気で とか思ってる? 無邪気なのは貴方よ 可愛いねシロちゃん 綺麗すぎて憎らしいわ その口が囁く愛の言葉さえ虚言に聞こえるわ 「もも」 「なぁに?」 「茶番は終りだ」 「あら、連れない」 クスクス笑った 眉間に皺 君のそういうとこ好きよ 可愛いとこ ああ 幻聴が聞こえるよ 闇を切り裂く掛け声が ペシミストは愛を罵ってる インソムニアはあたしを侵食する やつらは端から攻めてって大事なとこは一番最後 まるでショートケーキの上にのった いちごを食べるみたい インソムニアより彼に侵食されたい インソムニアより欲望を堆積したい たべたい? ああ、骨まで残さず食べてやるから寝ろ はぁい、グッバイインソムニア また遊びましょ