「・・・バカは風邪ひかないって嘘だったのか」 「・・うるさいっ」 赤裸々シンドローム バカだと知ってたが、まさかここまでとは思わなかった もう秋も終わって、冬になろうかって時に 「あははー、いっくよー!!!!見ててねー、えへへ〜」 飲み会直後 同期の男二人の心配をよそに このバカは川に飛び込んだそうだ で、なんで俺がここにいるかと言うと 「あー、隊長!!聞いてくださいよ  昨日アタシと修兵と恋次と吉良と  雛森で飲みに行ったんですけど  あの子酔った勢いで川に飛び込んで  風邪ひいて寝てるらしいんで    看病してあげてくださいよvv」 非番の日をゆっくり過ごそうと思ってたのに、 目覚めたら、自室の前に 見飽きた、っつーか非番の日にまで見たくもねぇ 巨乳をぶら下げた女もとい副官が にやにやしながら これだけ言って、出勤しやがった 返せ、俺の数少ない休み!!!! で、現在の状況は 「ねぇ、日番谷君。熱測ったよ。    はい」 「ん・・・。まだ熱高いな。  粥作ったけど食えるか?」 「・・ぇ、日番谷君。料理するんだ」 「お前、俺だって自炊してるだろーが」 と、こんなカンジ ・・・反省してねぇなコイツ 心の中で悪態つきながら 寝ている雛森の横に できたての粥を持ってきた。 「わぁ・・卵粥だー。おいしそ・・・」 「ほれ。自分で食え」  粥の椀を差し出した 「・・・病人には、もっと優しくしないとダメだよ?」 「自業自得だろ」 「むー・・・。・・・いじわる」 「誰がせっかくの俺の非番を台無しにしたんだ?あ?」 「・・・それは謝ったじゃない・・。もういい。いらないもん」 「お前一体どうしてぇんだよ・・・」 「食べさせて」 「・・・・ったく」 そういえば、昔からコイツはこうだった 風邪ひくと、いつもは年上ぶってんのに 急におとなしくなって 甘えたがるんだ 「ほら、口開けろ」 「そういう時は優しく『アーンvv』って言うんだよ」 こういう時のコイツは 従わないと さらにうるさい 「・・・ほら・・・アーン」 「アー」 せめて、こんな恥ずかしい事させてんだから これくらいさせろ 「なーんてやるか、バーカ」 「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」 掬った粥を おもいっきり 食ってやった。 ・・・うまい さすが、俺・・・ってバカみてぇ 「・・・もういいよ」 「ほら」 「んっ」 『アーン』なんて優しい台詞なしに 雛森の口に粥を食べさせてやった 「・・・おいひー」 さらにワガママは続く 「・・・熱はちょっと下がったな・・・」 もう夕方じゃねぇか 横になってる雛森の額に 手を置いた 「日番谷君の手・・・冷たくて、気持ちいいな・・」 「・・そうか」 少し赤い頬が なんだかすごく楽しそうに見えた 「・・・ごめんね」 「あ?」 「せっかくの非番、アタシのせいで潰しちゃって」 「それはもういいから・・。さっさと風邪治せ」 「・・・うん、ありがとね」 「治ったらなんか奢れよ」 「・・うん、あのね・・シロちゃん」 コイツが俺の事を昔の呼び方で呼ぶのは いつも特別な時だけだったから 「もうひとつ・・・ワガママ聞いて?」 「・・・なんだ」 「手・・・握って」 布団からはみ出た細く長い指を 自分の指と絡めた 「おやすみなさい」 「・・・おやすみ」 添い寝はオマケだ だから非番をお前に提供した俺にも それだけ分の報酬を 汗ばんだ額に 気づかれないように 口付けた おやすみ、いい夢を 愛しい人