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(バイオレンスといちゃこらが紙一重) 長い睫毛を親指でなぞれば くすぐったいと笑われた 真黒パラドクス 星粒をガラス越しになぞる。 ひとつ、ふたつ、みっつ。 幼い時は遠かったそれは 幼い時は光しか見えなかったそれは 今自分の前でその姿を晒していた。 指先がガラス越しに動く。 確か、星座というものがあったっけ。 そんなふうに、そんなふうに。 指先でなぞる。 無機質な機械音一つで開く扉。 視線を後ろへ向ける必要なんてない。 気配は殺していない。 誰かなんてすぐにわかる。 気づかないふりして。 ただただ指先にだけ集中した。 すると武骨な指先が髪をくすぐって 首に絡む。 「団長」 耳元で声がした。 くすぐったい。 そのまま首を締められるのかと思ってたけれども 意外にもその指先は首筋を撫ぜるだけになっていた。 「なんだよ、阿伏兎?仕事ならやったよ?」 デスクの上のサイン済みの書類?が散らかってる。 「そうじゃねぇよ」 「じゃあ、なんだ?」 そう問えば、指先がもう一度俺の首を掴む。 柔らかく柔らかく。 「この白い細い首に首輪でも付けてぇよ、赫い首輪。  肌が白いから映えそうだ」 「・・独占欲の現れは醜いよ?」 くすりと笑えば、その首筋を甘噛みされた。 まるで所有印のごとく。 まるで首輪のように。 「ああ、首輪でもつけてぇよ」 「お前がぶらぶらほっつき歩いて暇つぶしに部下殺さねぇようにな」 「あ、ばれちゃった?」 「「ばれちゃった?」じゃねぇよ、このすっとこどっこい!」 ちろりと舌を出して、彼を上目遣いで見れば 舌先を怒ったように噛みつかれた。 ぎりりと。そして、ひとつやわらかなキスを。 「だってさー、あいつら集団で俺を呼びだしたんだよ」 「・・・は?」 「でね、一発ヤらせろとか言ってきたワケ」 「・・・・」 「『知ってんだぜ、阿伏兎さんとはヤッてんだろ?』とか聞かれたからさー  『そうだよー。でも俺は阿伏兎としかヤんないの』って言ったら、襲ってきたんだよ」 「・・・・・」 「わかっただろ?正当防衛だよ」 「・・・・・・・・・・」 「あぶと?」 阿伏兎は何故か口を押さえて、顔を逸らしてる。 俺は意味がわからなくて、覗きこむ。 「なんで真っ赤なんだよ」 「・・いやぁ・・・その」 「・・・?」 「それって俺に操立てしてるってことなんだよな?」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 言われた言葉にはっとして、頬の熱がこちらまで伝線した。 視線を逸らしてしまう。 唇が震えて。 「・・・だったらなんだよ」 「・・いやぁ・・アンタ・・・」 可愛かったんだな、結構。 ちゅっと頬に口付けられて、 俺はただただ黙りこくってしまった。 「馬鹿阿伏兎」 照れくさくて、素直になれない。 こういうとこは妹と似ている。 星座をなぞってた指先は気づいたら 武骨な指先と絡まってる。 暴言を吐く口は彼の鼻先を甘噛みしてる。 「なぁ」 「ん」 「今度は殺す前に俺に言えよ」 「どうして?」 「俺が殺すから」 「えー、どうせ殺すなら俺が殺しておくって」 「そうじゃなくて」 「団長を犯そうっていう精神がまずカンに触るんだよ」 不機嫌そうな眉間。 唇はひたすら所有印の施し。 愛なんて愛なんて。 薄っぺらいそれはいらないよ。 毛色の綺麗なそれはいらないよ。 俺達には血で薄れた、 獣みたいなセックスと未知数の感情が零れていたらそれでいい。 爪の間に薄い茶髪のくせ毛が絡まる。 吐息が崩れてく。 「阿伏兎」 「・・・なんだ」 「・・・する?」 「・・・・・・・」 「・・・し・よ?」 「仕事が終わったら、な」 噛みつくようにもう一つシルシを残して、 サインの書かれた書類を掴んで戻っていった。 「ばか」 「何ソレ、理性ってやつ?」 触れた掌を見つめた。 がっつり下半身が元気だったくせに。 なんか痩せ我慢を素知らぬふりで隠すあいつに なんだか笑えてきて。 「ばーか!」 ちいさく投げキッスを無機質なドアに投げてやった。 こんな恥ずかしいこと本人の前じゃ絶対しないけど。 これは愛じゃない、愛なのだ。 これは恋じゃない、恋なのだ。 もうそういわないと、認めてしまうよ。 この感情が愛だって。