もう一度立ちあがる ともしび その剣を握った意味を考えた。 最初はこの力を誰かのために 使いたかった。 学校に入って、変わった。 憧れる人ができた。 その人は優しくて その人は大きくて 温かかった。 彼の傍で自分も彼が誇れるような存在になりたいと思った。 剣を握った。 名を飛ぶ梅と書いて飛梅と呼んだ。 炎熱系。 自分には本当は意外だった。 始解を手に入れようとしていた時、 春だった。 そっと目を瞑れば、 掌に梅の花が一輪落ちた。 それは熱を帯びる。 熱があたしの身体を駆け廻る。 『初めまして』 小さな言葉が聞こえた。 それからあたしは憧れを失った。 彼はあたしに傷痕だけを残して消えた。 漆黒の世界で考えた。 あたしは何なのだろう。 何のために、誰を救いたかったのかと。 これは自己満足だったのかと。 堕ちていくだけの世界であたしを掬いあげたのは 小さな掌だった。 頬に彼の手が触れた時、 とめどないくらい涙が零れた。 子供みたいに泣きじゃくった。 彼はただあたしを見つめていた。 「待ってる、お前がもう一度、剣を握るのを」 その時に気づいたのだ。 自分が剣を握った本当の理由を。 幼い頃あたしと同じ力を持っていた、彼。 でもその力はずっと強かった。 だから嫌われていた。 本当は知っていた。 でもあたしはどうすることもできなかった。 だから死神になった。 少しでも力があれば、彼を守ることができるかもしれないって。 でも今は彼に守られている。 忘れていた。 だからもう一度戻ろうと思った。 もう一度 貴方を守るために剣を握りたい。 あたしは貴方よりずっと力だって弱い。 だけど、貴方を守りたい。 貴方に守られるのなら、私も微力でも貴方を守りたい。 想いが火を灯す。 貴方が私を愛してくれるなら、 もう一度誰かを信じたい。 貴方が私を守ってくれるなら 貴方をもう一度守りたい。 貴方が私に立ちあがれと言ってくれるならば 貴方の傍で立ちあがりたい。 もう一度。 もう一度。 君のいる場所に行こう。 そこは戦場だろう。 でも私は立ちあがる。 愛してる人を 愛してる人達を 守りたいから。 熱の灯る梅を咲かせよう。 傷痕に熱を灯しながら。