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「雨・・・どうしょう」 蘇る残像、降りしきる雨。 幼いあたし。 サルビアの残像 その日は晴れていたので 全く雨が降るなんて考えてなかった。 六番隊に書類を届けに行って 阿散井君と話しこんでしまって。 六番隊の詰め所を出ようとしたら 結構な量の雨。 「どうしょう・・・・」 もちろん傘なんて持っていない。 六番隊のを借りようかと思ったけど 阿散井君もさっきどこかへ行ったみたいだから 今は朽木隊長しかいないはず。 『さすがに・・・・朽木隊長には借りにくいよね・・』 あたしにそんな勇気は無く 右手には 書類の入った封筒だってある。 濡れるわけにはいかない。 『ああ、どうしよう・・・』 立ち往生していた時だった。 「はい」 差し出された傘 「あ・・・藍染隊長」 そこには五番隊の詰め所で書類を書いていた 藍染隊長がいらっしゃって 「雛森君が傘を持たずに出て行ったことを思い出してね。    困ってると思ってきてみたんだ」 「すいませんっ・・・」 「ちょうど仕事も一段落したところだし  気にしないで」 「ありがとうございます」 あぁ、なんて優しいんだろう。 この人は太陽みたい。 いつも暖かくって。 あたしはその暖かさにいつも抱かれていた。 傘を差して二人で詰め所まで戻る 「そうだ。四番隊からお菓子をもらったんだ。  後でお茶にしようね」 「はい」 何気ない話もあの人がいれば 全て金色に見えた。 あの人がいれば 何だって美味しかった。 笑顔が絶えなかった。   なのに あなたはどこ? あなたはどこ? このただ広い部屋で このあなたのいない部屋で あたしの胸の傷は痛むまま おいしい四番隊のくれたお菓子はどこですか? 藍染隊長、お茶にしましょうよ 早く せっかく入れたお茶が冷めちゃいますよ ほら茶柱が立ってますよ このままじゃ緑茶が しょっぱくなっちゃいますよ これは恋だったのだろうか。 そんなの知らない。 きっと淡い思い出だろう。 あの時のあたしには あの人が中心で あの人が太陽だったから 太陽が無くなっても 中心が無くなっても まわれるなんて知らなかった あなたに渡したいものだって 話したいことだって 教えてほしいことだって 数え切れないくらいあったのに 別れはあまりも突然で 劇的で 残酷 あなたは最初から あたしの太陽なんかじゃなかったんですね 一番遠い惑星だったんですね もう少し夢が見たかった ただ広いこの部屋の 貴方が座っていたこの椅子に座って あたしは 今日も貴方を想う いつか倒さなくてはいけないと知りながら